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エナジードリンク市場拡大。“大人向け”個性派も登場し、年齢層にも広がりか。
最近よく聞くのが、「エナジードリンク」と呼ばれる飲み物だ。主に中高年を対象としたイメージのある栄養ドリンクとは違い、若い世代を中心に人気を集めており、市場も拡大中という。最近では“大人の味”を狙った個性派などが登場し、愛飲者の年齢層も広がりをみせている。(中山忠夫)
「もうひと頑張りしたいときに“気合入れるぞ”って感じで飲みますね」。都内の大学に通う男子学生(19)は、気持ちを切り替えるためにエナジードリンクを活用しているという。飲む目的も“疲労回復の一本”といった従来の栄養ドリンクとは異なるようだ。
■気分を上げる
電通若者研究部の西井美保子研究員によると、いまやエナジードリンクを飲むというスタイル自体が“カッコイイ”として若者たちに受け入れられている。「気分を上げると同時に“スタイリッシュな自分”を演出するアイテムの一つになった」と話す。背景には、若者に人気のスポーツやファッションと絡めたマーケティング戦略もある。
調査会社の富士経済によると、エナジードリンク市場の勢いは右肩上がりだ。購入者はこれまで10代後半~20代の大学生らが中心だったが、最近では年齢層もその上の働く世代へと広がってきた。
「平日の朝と夕方によく売れますね。朝に多いのは、前日の残業などでお疲れ気味の“シャキッとしたい”といった人。夕方になると、残業する前に“頭をスッキリさせておきたい”などと買い求める人が目立ちます」。こう話すのは、ローソン「ゲートシティ大崎店」(東京都品川区)の滝村祥吾店長。
同店は周辺のオフィスで働く人たちの利用が多く、エナジードリンクの購入層も20~30代が大半を占める。とくに朝7~8時台と夕方6時前後に集中するという。
■辛口で差別化
こうしたオフィス需要を狙い、“大人の味”で競合他社との差別化を図る商品も登場している。
ピリピリと強烈な刺激が口に広がる「ライジン」(185ミリリットル入り210円、関東地方1都6県のコンビニなどで販売中)は、栄養成分のほかにショウガや香辛料の抽出物を配合したのが特徴だ。ライバルの海外勢に共通した“甘みの強さ”に対抗し、日本生まれの「ライジン」では大人が好む“辛口”で勝負を挑んだ。
発売元のライジンジャパン(東京都港区)は「20代後半~40代と幅広い層がターゲット。仕事に真摯(しんし)に取り組むビジネスパーソンを応援するドリンクです」と話す。カフェイン量も100ミリリットル当たり27ミリグラム(競合商品は30~50ミリグラム)と少なめ。「“辛口刺激”でカフェインに頼ることなく気分を高めるのに役立ちます」という。
これからは大人世代もエナジードリンクを手にする機会が増えそうだ。
【用語解説】エナジードリンク
明確な定義はないが、アルギニンなどの栄養成分やカフェインを含んだ炭酸飲料を指す。缶入りで1本(185~355ミリリットル)当たりの価格は200円以上と高め。ファッション性をアピールした缶のデザインも特徴だ。オーストリア発祥の「レッドブル」が日本市場に本格参入した平成18年以降、若者が集う深夜のクラブなどで人気に火が付き、遊びやスポーツで力を出したいときの飲料として広がった。24年には「バーン」「モンスターエナジー」といった欧米の有力ブランドが相次いで上陸。市場も一気に活性化した。