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【エナジードリンク市場調査】「栄養ドリンク VS エナジードリンク」働く男女の支持率を調査!生活者の疑問に専門家が回答!
栄養ドリンク vs エナジードリンク
働く男女の支持率を調査!
それぞれの違いは何? 夏の疲れに効くのは?
栄養&エナジードリンクの<ウソ・ホント>を徹底検証!
働く男女の「夏の疲れ」対策、注目の成分は
「ビタミンB1」「フルスルチアミン」
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、夏場の「栄養ドリンク」および「エナジードリンク」の飲用に注目し、レポートいたします。
暑い日が続き、夏バテをしたり、疲れやすくなったりと、体調を崩しやすい今の時期。
そんな時に活用したいのが「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」です。夏の疲れを吹き飛ばしたい時や、仕事でここ一番という時に、お世話になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし一方で、「栄養ドリンク」も「エナジードリンク」も、さまざまな商品の中から目的にあったものを選ぶのは、なかなか難しいものです。また、「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」の違いを明確に理解していなかったり、誤った認識を持っていたりするケースも見受けられます。
そこで今回、トレンド総研では、夏場の「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」の摂取をテーマに、20~50代の男女500名を対象とした意識・実態調査を実施。さらに、調査回答者たちから寄せられた「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」に関する疑問をもとに、医薬品ビジネスに精通する日本経済大学大学院の赤瀬 朋秀先生へのインタビュー取材をおこないました。
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■1.【生活者調査】「栄養ドリンクとエナジードリンク」に関する意識・実態調査
はじめに、20~50代の働く男女500名を対象に、夏場の「栄養ドリンク」および「エナジードリンク」の飲用実態について調査をおこないました。
◆夏の疲れ対策に「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」は有効、働く男女の約6割が回答
まず、「夏は、他の季節に比べて、疲れを感じやすいと思いますか?」と質問したところ、働く男女の83%が「そう思う」と回答。また、夏バテ、体力減退といった「夏の疲れ」が原因で「仕事に影響が及んだことがある」という人も、57%と半数以上にのぼりました。
そこで、仕事がある日の「夏の疲れ」対策として、「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」は有効だと思うかを聞くと、57%と約6割が「そう思う」と回答。
実際に、疲れを感じた時に、これらのドリンクを飲んだことがあるという人も74%にのぼっています。
ちなみに、「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」では、どちらを飲むことが多いかを質問したところ、67%が「栄養ドリンク」、22%が「エナジードリンク」、11%が「どちらも同じくらい」という結果に。働く男女の支持率が高いのは「栄養ドリンク」であることがわかりました。ただし、20代男性では「エナジードリンク」(48%)と回答した割合が「栄養ドリンク」(35%)を上回るなど、年代や性別によっても傾向に差があるようです。
◆「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」、明確な違いがわかる人は、わずか1割台!?
しかし一方で、「栄養ドリンクやエナジードリンクをどのように選んでいるか」を質問したところ、
●「パッケージを見て効きそうなものを選ぶ」(38歳・男性)
●「疲れがたまっているときは高いものを飲む」(27歳・女性)
●「目についたものの中で、名前に聞き覚えがある商品を選ぶ」(47歳・男性)
などの回答が目立ち、曖昧な理由や個人的なイメージで購入している人も多いようです。
さらに、「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」の違いが明確にわかるかを聞くと、「わかる」と回答した人は12%とわずか1割台にとどまりました。残り大多数は「わからない」(68%)と答えたほか、「明確な違いはないと思う」(20%)という回答も目立っています。
また、栄養ドリンクとエナジードリンク、それぞれの具体的なイメージを聞いた質問でも、
●「栄養ドリンクは栄養補給、エナジードリンクは活力増進、のような気がする」(51歳・男性)
●「栄養ドリンクは持続性があるが、エナジードリンクは単発効果しかない」(46歳・男性)
●「疲れた時には栄養ドリンク、やる気を出す時にはエナジードリンク」(28歳・女性)
など、感覚的に認識をしている人も多いようです。
実際に、「栄養ドリンクやエナジードリンクを選ぶ際の知識に十分な自信がありますか?」という質問で、「ある」と答えた人は、全体のわずか10%にとどまっています。
■2.【専門家コメント】生活者の「栄養ドリンク」&「エナジードリンク」の疑問に回答!
そこで今回は、調査回答者たちから寄せられた「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」に関する疑問をもとに、医薬品ビジネスに精通する日本経済大学大学院の赤瀬 朋秀先生へのインタビュー取材をおこないました。
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[プロフィール]
▼赤瀬 朋秀 (あかせ ともひで)
-日本経済大学大学院 教授-
ファーマシーマネジメント研究所 所長。薬剤師。
北里大学病院に11年勤務し、その後大学院に進学し経営学を学ぶ。
MBA取得後に9年間にわたって薬剤部門のマネージャーとして病院に勤務、2012年4月より現職。
著書に『漢方の医薬品情報と服薬指導―服薬指導に使える漢方薬のDIの考え方・探し方・伝え方』
(薬事新報社)など多数。
日本経済大学 HP
URL:>> http://shibuya.jue.ac.jp/
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Q:「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」に明確な違いはないってホント?
「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」は何が違うのでしょうか? 瓶に入っているのが栄養ドリンク、缶に入っているのがエナジードリンクというイメージはありますが、正直、中身の違いはないのではという気がします。
A: ウソ
「栄養ドリンク」の多くは医薬部外品、「エナジードリンク」は清涼飲料水。
効能・効果の表示がみとめられているのは「栄養ドリンク」のみです。
両者には明確な違いがあります。「栄養ドリンク」の多くは医薬部外品、「エナジードリンク」は清涼飲料水です。
そのため、医薬部外品である「栄養ドリンク」は、効能・効果がみとめられており、「肉体疲労時の栄養補給」「滋養強壮」などの具体的な効能や、成分の含有量も明記されています。一方で、清涼飲料水である「エナジードリンク」は、名前やパッケージの印象から“元気になりそう”というイメージはあるかもしれませんが、他のソフトドリンクなどと同様で、具体的な効能・効果を標榜することはできません。
また、栄養ドリンクとエナジードリンクでは、配合できる成分が異なります。カフェインやアルギニンなどは、エナジードリンクにも配合することができますが、フルスルチアミン塩酸塩などは、栄養ドリンクのみが配合できる成分です。
Q:「夏の疲れ」対策として選ぶなら「栄養ドリンク」ってホント?
暑さと疲れで夏バテ気味の時に、よく「栄養ドリンク」を飲みますが、これは理にかなっているのでしょうか?
A: ホント
ビタミンB1やフルスルチアミンの入った「栄養ドリンク」を選ぶのがおすすめ。
ただし、夏バテ対策のためには、大前提として、食事もしっかり摂りましょう。
夏バテで食欲がなくなってしまうと、そうめんなどの「あっさりしたもの」、アイスクリームなどの「食べやすいもの」ばかり選びがちです。しかしながら、これらを食べることで、満足感は得られたとしても、単体で十分な栄養が摂れるわけではありません。夏バテ対策のためには、まず大前提として、バランスの良い食事をしっかりと摂ることが重要です。
その上で、夏の疲れ対策において注目したいのが、スタミナ食材などに多く含まれるビタミンB1です。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える役割を持っています。体はエネルギーが不足すると疲れを感じるようになります。ビタミンB1が不足するとエネルギーがうまく作られません。ビタミンB1が含まれる「栄養ドリンク」であれば、普段の食事にプラスして活用するのは、夏の疲れ対策として、理にかなっていると言えるでしょう。
しかしながら、水溶性ビタミンであるビタミンB1は、1度に大量に摂取しても、吸収量に限度があり、吸収されなかった分は体外に排出されてしまいます。そのため、ビタミンB1を腸管から吸収しやすくしたフルスルチアミンなどの成分が含まれたものを選ぶとよいでしょう。フルスルチアミンは、一部の「栄養ドリンク」に含まれ、よく吸収されビタミンB1が筋肉や神経組織などに到達しやすい形にしたもので、夏の疲れにも効果を発揮します。
なお、「エナジードリンク」と比べても、ビタミンB1の含有量は「栄養ドリンク」の方が多い傾向にあり、フルスルチアミンは「栄養ドリンク」のみに含まれるものです。そのため、成分を考えると、夏の疲れ対策には「栄養ドリンク」のほうがおすすめです。
Q:「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」は、飲みすぎてはいけないってホント?
「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」の飲みすぎはよくないと聞きますが、実際はどうなのでしょうか?
A: ホント
1日1本程度までを目安に飲みましょう。飲みすぎには注意が必要です!
まず、医薬部外品である「栄養ドリンク」については、レーベルやパッケージの裏などに1日の用法・用量が書かれているかと思います。多くの場合は1日1本かと思いますので、ご自身でも確認して、しっかり用量を遵守してください。特に、夏の暑い日やお風呂上がりなどは、ゴクゴクとたくさん飲みたくなるかもしれませんが、水分補給と栄養補給は別々におこないましょう。
一方の「エナジードリンク」は、「栄養ドリンク」や他の清涼飲料水と比べて、カフェインの含有量が非常に多いという点が特徴です。「エナジードリンク」には、炭酸が入っているものが多いので、喉越しがよく、たくさん飲んでしまいがちですが、カフェインを過剰に摂取すると、中毒症状につながることがあります。昨年12月には、カフェイン中毒による国内初の死亡者が出ましたが、その方は、カフェインを含む製品やエナジードリンクを頻繁に飲んでいたようです。飲み過ぎには注意が必要です。また、眠気防止にカフェインが入っているタブレットやキャンディーなどを併用するのも避けたほうがよいと言えます。
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[調査概要]
調査名: 栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査
調査対象: 20~50代 有職者男女 500名
調査期間: 2016年06月09日~2016年06月13日
調査方法: インターネット調査
オピニオン取材: 赤瀬 朋秀