エナジードリンク トピックス

エナジードリンクの様々なニュースをお届け!

次は進化系コーヒー!?アルギニンを配合した「エナジーコーヒー」開発の狙いとは?

次は進化系コーヒー!?アルギニンを配合した「エナジーコーヒー」開発の狙いとは?

飲料各社が、味以外を訴求した新しいコーヒー飲料を相次いで発売している。健康機能を引き出した特定保健用食品(特保)や、栄養成分を配合したエナジー系、女性向けのペットボトル品などが登場。ここにきて、缶コーヒーはコンビニエンスストアのカウンターコーヒーの登場やカフェチェーンの拡大で苦戦を強いられている。40代以上の男性が中心といわれる缶コーヒー市場で、“進化系”を投入し新たな需要開拓を急ぐ。

“脂肪を消費しやすくするコーヒー”というキャッチフレーズで話題を呼んだのは、花王が4月に発売した特保の「ヘルシアコーヒー」だ。脂肪の吸収を抑える「クロロゲン酸」を通常のコーヒーの2倍以上含みつつ、苦みなどを抑えて飲みやすくした。185グラム入りで149円と通常の缶コーヒーに比べ割高だが、今年の販売目標の150万ケース(1ケース=30本)は7月に早くも達成し、目標を300万ケースに引き上げた。「女性の購入者が2割以下とされる缶コーヒー市場で、ヘルシアコーヒーは24%を女性が占める」(同社)と強調する。

一方、アサヒ飲料が10月8日に発売する「ワンダ パワーブレンドコーヒー」(200円)は、栄養成分が入った“エナジードリンク系”のコーヒーだ。脳の活性化効果が期待される「アルギニン」を配合しながら、コーヒー本来のコクにもこだわった。昨年のエナジードリンク市場が前年比2.2倍に急拡大していることや、コーヒーもエナジードリンクも「飲んで活力を入れたい」という共通のニーズがあることに着目。「エナジーコーヒーという新しい価値の提案で、ワンダブランドの底上げにつなげる」(同社)と力を込める。

これまで「缶」が当たり前だったコーヒー飲料市場に、女性をターゲットに「ペットボトル」を採用する動きも広がる。5月に日本コカ・コーラが発売した「ルアーナ」と、8月にキリンビバレッジが発売した「ファイア カフェデリ」は、ともにカフェスタイルを好む女性向けのデザインを施したペットボトルコーヒーだ。「持ち歩いてゆっくり飲むコーヒー文化を根付かせ、新たな市場を創出する」(キリンビバレッジの山田精二マーケティング部長)と息巻く。

また、サントリー食品インターナショナルが提案するのは“発酵系コーヒー”。8月に発売した「ボス グランアロマ~香るボス~」は、シャンパンの発酵に使われるシャンパン酵母でモカ豆を発酵させ、独特の香りに焦点を置いた。

飲料総研によると、今年上期(1~6月)の飲料市場は、日本茶や炭酸飲料が前年同期比で7%上回る一方、コーヒーは3%減と伸び悩んだ。「缶コーヒーは自動販売機での販売量が多い高収益商品」(飲料総研の宮下和浩氏)だけに、今後もコーヒーをめぐる市場競争は激化しそうだ。(西村利也・著)