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「栄養ドリンク VS エナジードリンク」両者の違いを徹底分析!夏の疲れに効果的なのは・・?

「栄養ドリンク VS エナジードリンク」両者の違いを徹底分析!夏の疲れに効果的なのは・・?

“栄養ドリンクvsエナジードリンク” 両者の違いを徹底分析
注目すべきは成分! 専門家・赤瀬教授が解説
夏の疲れに注目は、ビタミンB1、フルスルチアミン、…


生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区)では、気温が高まるこれからの季節に向けて、“栄養ドリンク”と“エナジードリンク”に注目。両者の違いやオススメの利用方法について調べました。

徐々に気温が高まり、汗ばむことも増え始めた、今日この頃。気だるさを感じたり、やる気が出なかったりする人も多いのではないでしょうか。“暑熱順化”という言葉もありますが、身体が暑さに慣れていないこの季節は、夏本番以上に疲れやすいなんてこともあります。そんな時に頼りたくなるのが、“栄養ドリンク”や“エナジードリンク”です。

しかし、栄養ドリンクも、エナジードリンクも、様々な商品が発売される中で自分に合った商品を選ぶのは、なかなか難しいものです。

例えば、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いについて理解している人はどの程度いるのでしょうか。また、10年に満たない期間で急速に成長したエナジードリンクについては、この数年間で沢山の新商品が発売され、ますます選ぶことが難しくなっていると言えるでしょう。

そこで、本レポートでは、栄養ドリンクとエナジードリンクについて紹介します。

最初に、一般の消費者500名にアンケート調査を実施しました。本調査から明らかになったのは、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いに関する理解の低さ。また、それぞれに期待されているポイントや飲みたいシーンなども分かりました。また、医薬品に精通する日本経済大学大学院の赤瀬 朋秀氏に取材を依頼。栄養ドリンクとエナジードリンクの使い分けのポイントや、その成分について説明してもらいました。

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■レポート内容

1. 栄養ドリンク&エナジードリンクについて、一般消費者500名に調査を実施
栄養ドリンクとエナジードリンクの違いとは!? それぞれの飲用状況について、アンケート調査を行いました。
 
2. 専門家・赤瀬教授に聞く、栄養ドリンクとエナジードリンクの飲み分け方法
医薬品に精通する日本経済大学大学院の赤瀬氏に、栄養ドリンクとエナジードリンクに関する取材を実施。

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■1. 栄養ドリンク&エナジードリンクについて、一般消費者500名に調査を実施

はじめに、一般の消費者500名を対象に行ったアンケート調査「栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査」の結果を紹介します。本調査では、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いに関する理解や、それぞれの飲用率や飲用シーン、イメージについて調べました。 

[調査概要]
調査名:栄養ドリンクとエナジードリンクに関する意識・実態調査
調査対象:20代~50代の男女500名 (※性別・年代別に均等割り付け)
 ※20代男性:62名 30代男性:63名 40代男性:63名 50代男性:62名
 ※20代女性:63名 30代女性:62名 40代女性:62名 50代女性:63名
調査期間:2015年4月28日(火)~2015年5月7日(木)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
 
◆何が違うの…? 「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」の違いを説明できた人は、僅か2%
 
今回フォーカスした、栄養ドリンクとエナジードリンクですが、両者には明確な違いがあります。「医薬品」、「医薬部外品」に分類され、「医薬品医療機器等法」により規定される“栄養ドリンク”に対して、エナジードリンクは「清涼飲料水」です。そのため、栄養ドリンクは、エナジードリンクには配合できない、タウリンやフルスルチアミン塩酸塩といった、特定の成分の配合が認められています。
それでは、こうした違いを一般の消費者はどの程度理解できているのでしょうか。今回のアンケート調査では、「栄養ドリンクとエナジードリンクの違いがよく分からない」という人は81%と、8割以上を占めます。
さらに、「栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを説明して下さい」としたところ、きちんと両者の違いをきちんと説明できた人は、僅かに2%。「栄養ドリンクの方がエナジードリンクより効果が高い。(宮城県・男性38歳)」といった漠然としたイメージだけでそれぞれの理解をしている人も少なくありません。さらに、66%の人は、「栄養ドリンクとエナジードリンクは同じようなものだと思う」と回答しており、それぞれの理解が十分でないことが浮き彫りになりました。

◆飲用者の数では「栄養ドリンク」に軍配! 飲用経験率、飲用率を徹底比較

こうした低い理解度の中で、栄養ドリンクとエナジードリンクはそれぞれどの程度、消費者に受け入れられているでしょう。それぞれの「飲用経験率」、および、「現在の飲用率」を調べました。
まず、それぞれの「飲用経験率」は、栄養ドリンクが83%で、エナジードリンクが45%。急速に認知度を高め、市場を拡げてきたエナジードリンクですが、飲用経験率は半数を下回り、栄養ドリンクと比べるとその飲用経験率は高いとは言えません。同様に、「現在の飲用率」についても、それぞれ比較してみます。現在、栄養ドリンク、エナジードリンクを飲んでいるという人は、それぞれ46%、22%。長い間飲まれ続けている栄養ドリンクが、飲用経験率だけでなく現在の飲用率においても、エナジードリンクを大きく上回る結果となりました。
それでは、栄養ドリンクやエナジードリンクは、どういった人に飲まれているのでしょうか。前述の飲用経験率や現在の飲用率を、性別、年代別に比較してみました。
まず、栄養ドリンクの飲用経験率は、男女でそれぞれ87%、79%。両者の差は10ポイント以内にとどまります。世代別の飲用経験率についても、最も低い20代でも78%で、それ以外の世代では80%台と大きな差はありません。栄養ドリンクが、男女ともに広い世代の人に受け入れられていることが分かります。また、それは現在の飲用率についても同様です。50代では若干の飲用率の低下が見られたものの、性別、世代別で比較して、大きな差は見られませんでした。
同様に、エナジードリンクについても、飲用の実態を分析してみます。まず、性別で比較すると、飲用経験率も現在の飲用率も、男性の方が女性を上回りました。しかし、その差は飲用経験率14ポイント、現在の飲用率では7ポイントと、両者の差は比較的小さいことが分かります。一方で、世代別に比較してみると、20代とそれ以外の世代では、飲用状況が大きく異なることが分かります。飲用経験率については、20代が62%だったのに対して、30代~50代では39%。さらに、現在の飲用率についても、20代の38%に対して、それ以外の世代では17%と半分以下にとどまります。エナジードリンクが20代を中心とする若い世代に受け入れられていることが、改めて確認できました。

◆つらい時に欲しい「栄養ドリンク」と気分を上げる「エナジードリンク」、両者のイメージの違いも明らかに!
 
次に、栄養ドリンクやエナジードリンクがどのようなシーンで飲まれているのかを調べてみました。栄養ドリンクとエナジードリンクの違いや、それぞれの代表的な商品を紹介した上で、「栄養ドリンクやエナジードリンクを飲みたいと思うシーン」を複数回答形式で聞きました。その結果、最も多かったのが、83%が回答した「疲れている時」。以下、「栄養成分を補給したい時」(78%)、「頑張らなければならない時」(78%)、「体調が悪い時」(70%)と続きます。

また、栄養ドリンクとエナジードリンクのそれぞれの飲みたいシーンを比較してみます。

「栄養ドリンクを飲みたいと思うシーン」の上位3項目は、1位「疲れている時」(74%)、2位「栄養成分を補給したい時」(71%)、3位「体調が悪い時」(67%)。これに対して、「エナジードリンクを飲みたいと思うシーン」については、1位「リフレッシュしたい時」(52%)、2位「気分転換したい時」(51%)、3位「テンションをあげたい時」(47%)。両者の違いが顕著に現れた結果と言えるでしょう。身体がつらい時に求められる栄養ドリンクに対して、エナジードリンクは気持ちを奮い立たせるために求められていると言えるでしょう。

こうした飲みたいシーンの違いは、栄養ドリンクとエナジードリンクのイメージの違いによるところが大きいようです。

複数回答形式でそれぞれのイメージをたずねたところ、栄養ドリンクのイメージとしては、「効く・効果がある」(74%)、「栄養がある」(71%)、「価格が高い」(67%)といった回答が多くあげられました。一方、エナジードリンクに対して多かったのは、「爽快感・清涼感がある」(53%)、「美味しい」(42%)、「目が覚める」(42%)といった回答です。

前段では、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いが分からないなど、理解の低さも垣間見られましたが、医薬部外品の栄養ドリンクと、清涼飲料水であるエナジードリンクに対して、消費者のイメージはそれぞれの特徴をよく反映しています。一般の消費者も、感覚的には、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いをしっかりと捉えているようです。

■2. 専門家・赤瀬教授に聞く、栄養ドリンクとエナジードリンクの飲み分け方法

今回のアンケート調査からは、「同じようなもの」と思われながらも、それぞれのイメージに合わせて飲用されていることが分かった、栄養ドリンクとエナジードリンク。そこで、両者の違いやオススメの飲み分け方法などについて聞くために、医薬品情報や健康食品に精通する日本経済大学大学院の赤瀬 朋秀氏に取材を依頼しました。
 
◆専門家が解説! 栄養ドリンクとエナジードリンクの違いとは!?

Q. “栄養ドリンク”と“エナジードリンク”の違いについて、お教え下さい。
 
医薬部外品に該当する栄養ドリンクと、清涼飲料水のエナジードリンク。両者の違いは明確です。それぞれのパッケージやラベルを見てもらえば分かりますが、医薬部外品である栄養ドリンクには、成分および含量がしっかりと明記されています。また、“肉体疲労時の栄養補給”、“滋養強壮”といった効能を提示することができます。一方で、エナジードリンクは成分を記載することはできますが、効能は謳えません。そのため、印象に残るキャッチフレーズやパッケージデザインで、商品のイメージや特徴を伝えようとします。パッケージにビビッドカラーの派手なデザインが採用されているものが多いのは、そのためでしょう。

また、栄養ドリンクとエナジードリンクでは、配合できる成分が異なります。タウリンやフルスルチアミン塩酸塩、朝鮮人参などの生薬成分は、栄養ドリンクのみが配合できる成分です。一方で、カフェインやアルギニンなどのアミノ酸は、エナジードリンクにも配合することができます。商品を手に取る時に、こうした成分を見てみるのも良いでしょう。

しかし、注意しなければならないのは、栄養ドリンクもエナジードリンクも、不規則な生活の免罪符になるものではないということです。疲れを感じた時や、体調のすぐれない時など、緊急回避的な手段として利用するのは良いでしょう。しかし、これらを飲んでいれば、不摂生をしても大丈夫ということではありません。また、カロリーや糖質の量が多いものもありますし、カフェインなどは、心拍数をあげ、心臓に負担をかけてしまうこともあります。それぞれの性質を正しく理解し、自身の年齢や体調に合わせて使用することを心掛けてもらえればと思います。
 
◆ビタミンB1、フルスルチアミン、… “夏の疲れ”にオススメの栄養ドリンク・エナジードリンクの活用方法とは!?

Q. これからの季節、“夏の疲れ”を意識した際の、栄養ドリンク、エナジードリンクのオススメの利用方法をお教え下さい。
 
“夏の疲れ”と言えば、これからの季節に気になるのが“夏バテ”です。その“夏バテ”を予防する食材の代表格がビタミンB1を豊富に含む“ウナギ”でしょう。その他にも、豚肉や玄米など、いわゆるスタミナ食材に多く含まれるビタミンB1。エネルギー代謝に関係し、疲労回復に効果的です。これからの季節、“夏の疲れ”を意識するのであれば、このビタミンB1の摂取を意識してみてはいかがでしょうか。糖質をエネルギーに変える役割を持つビタミンB1が不足すると、疲れやすくなったり、食欲不振、倦怠感、手足のむくみなどの症状を感じたりすることがあります。

しかし、その一方で、水溶性ビタミンであるビタミンB1は、1度に大量に摂取しても、吸収されなかった分は体外に排出されてしまいます。そこで注目したいのが、ビタミンB1を腸管から吸収しやすくしたフルスルチアミンです。フルスルチアミンは、一部の栄養ドリンクに含まれ、ビタミンB1が筋肉や神経組織などに到達しやすい形にしたもので、夏の疲れにも効果を発揮します。

その他には、医療用の医薬品にも含まれるタウリンは、肝機能の改善に効果があり、疲労回復に効果を発揮します。ローヤルゼリーや各種アミノ酸などの成分も、夏の疲れを意識する際に注目すべき成分だと言えます。こうした成分が含まれるかをチェックした上で、栄養ドリンクやエナジードリンクを購入してみるのも良いでしょう。

ちなみに、こうした成分で比較すると、エナジードリンクよりも栄養ドリンクに軍配が上がります。ビタミンB1の含有量も栄養ドリンクの方が多い傾向にありますし、フルスルチアミンやタウリンなどの成分は、栄養ドリンクのみに含まれるものです。夏の疲れを感じた時には、各成分の役割を理解し、栄養ドリンクを利用してみてはいかがでしょうか。

一方で、私の講義を受けている学生を見ても、お茶などのペットボトルに混じって、エナジードリンクを机の上に置いている学生を必ず目にします。それだけ、エナジードリンクが広がっているということでしょう。エナジードリンクについては、爽快感や清涼感を求めている人が多いようです。それぞれの役割を理解して、過度な依存を避け、用量を守って正しく利用することが大切です。
 
[プロフィール]

▼赤瀬 朋秀 (あかせ ともひで)
-日本経済大学大学院 教授-

ファーマシーマネジメント研究所 所長。
北里大学病院に11年勤務し、その後大学院に進学し経営学を学ぶ。
MBA取得後に9年間にわたって薬剤部門のマネージャーとして病院に勤務、平成24年4月より現職。
著書に『漢方の医薬品情報と服薬指導―服薬指導に使える漢方薬のDIの考え方・探し方・伝え方』
(薬事新報社)など多数。

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